埼玉県RSV流行監視ワーキンググループ(RSVWG)からのコメント

2026年2月24日

 埼玉県RSVWGでは2025年9月16日にベイフォータス・シナジスの投与に関してのコメントを発表したが1)、この記載では必ずしも通年性の考え方に合わない投与方法が含まれていたため、下記のように簡略化して完全通年性を採用し、2026年4月からの運用を提案する。尚、ベイフォータスの電子化された添付文書での「初回/2回目の感染流行期」は、各々生後12か月齢まで、生後13~24か月齢と解釈するものとする。

ベイフォータス

  • 2回目投与は初回投与の原則1年後とする。また、人工心肺使用下の心臓手術後を除き、24か月齢以下の適応のある児でも投与回数は2回までとする。

シナジス

  • 人工心肺使用下の心臓手術後を除き1クール8回投与までとする(24か月齢以下の適応のある児でも最大2クールまで)。
  • 投与期間は適応疾患、在胎週数によって生後6か月、12か月、24か月と異なるが、1クール目は適応が生後6か月、12か月までの児はそれぞれの月齢内に開始し、適応がある児の2クール目は生後13~24か月の間に開始する。
  • 2クール目の開始は1クール目の終了後、最低1か月の休薬月を設ける(例、最終投与が1月の場合、2月を休薬月とし、3月以降に次クールを開始し、レセプト上で2か月以上の空白があることがわかる日程で実施する)。
  • シナジスは適応月齢内にそのクールの初回投与がなされれば、その後適応年齢を過ぎても、従来通り投与できるものとする。
  1. 投与開始時期はNICU退院前(あるいは退院後初回外来時)または基礎疾患診断時とする。重症化リスクの高い低月齢の児を守るのが基本方針である。
  2. ベイフォータス・シナジスともに保険適応の範囲内であればどちらを使用するかは担当医師の判断が優先されるが、WGとしてはベイフォータスを第一選択として推奨する。(適応疾患の違いには注意)
  3. 1クールは1種類の薬剤で完遂する。
  4. 母体へのアブリスボが接種されている場合の詳細はガイドライン2)を参照されたいが、接種の有無に関係なく適応があればベイフォータス・シナジスの投与は必要と考える。
    (アブリスボは4月から定期接種化が予定されている)

注意事項

1.2クール目の投与が必要な例で薬剤を変更する場合(極力薬剤の変更は避ける)

  • シナジス→ベイフォータスへの変更の場合
    シナジス1クール終了後、レセプト上で2か月以上の空白があることがわかる日程で実施する。(原則シナジス初回投与1年後)
  • ベイフォータス→シナジスへの変更の場合
    ベイフォータス投与から5か月以上あけて(原則は投与1年後)にシナジスを投与開始する。

2.投与漏れが生じやすい事象

  • 他院への紹介、院内でも複数の科で診療する、などの際に投与漏れが生じ易いので、情報の共有に努める。

3. レセプト記載上の注意点

以下の情報をレセプトに詳記する。保険者はレセプトで査定を判断するので、詳細に記載してください。

  • i.適応疾患、早産児の場合は在胎週数、出生体重
  • ii.投与時の体重
  • iii.その投与が何クール目の何回目の投与か
  • iv.2クール目投与の場合は、最終のベイフォータス・シナジスの投与月日(投与間隔が適正か確認のため)

4. 方針移行期の今回に限り、2026年3月時点で3クール目のシナジスを投与している児は、3クール目を完遂してよいものとする。

ベイフォータス・シナジスの投与に関する大きな方向性に関しては、日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会から出されている、最新のニルセビマブの使用に関するコンセンサスガイドラインQ&Aを参考にされたい2)。また、東京都の方針もご参考下さい3)。

1) 埼玉県RSV流行監視ワーキンググループ(RSVWG)からのコメント | 日本小児科学会 埼玉地方会 (2026年1月27日アクセス)

2) 20251009Nirsevimab_GL_QA.pdf(2026年1月27日アクセス)

3)http://tokyoneonatology.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=168216
(2026年1月28日アクセス)