埼玉県RSV感染症流行監視WGからのお知らせ
- 今年は予想より早くRSV感染症が流行し始め重症児も散見されることから、2025-26シーズンは可能な限りすみやかにベイフォータス、シナジスを投与する方針とする(2月からの投与開始も考慮する)。
- 適応があれば、ベイフォータスを推奨する。金銭的な問題が生じる可能性があるため、事前に居住自治体の高額医療の償還払い制度の有無などを確認しておくことが、トラブル回避のためには重要である。
- NICU退院児に関しては、退院時あるいは退院後速やかにベイフォータスを投与する。他院での投与を依頼する場合、診療所などでは高額な薬剤に対応できない場合も考えられる。居住地近くの総合病院小児科にあらかじめ投与の可否を問合せ、そちらに投与を依頼することも考慮する。
- 現在シナジスを投与している児に関して、
・2回しか投与していない時には、休薬期間を置かずにベイフォータスに切り変える
・3回以上投与している児に関しては、合計8回まで連続してシナジスを投与する。
・すでに8回投与を終えた児に関しては、1か月の休薬期間を必ず空けてから2025-26シーズンのシナジス投与を開始する。その場合、『●月で2024-25シーズンシーズンの投与を終了したが新たに次のシーズンがはじまったため2シーズン目の投与を開始した』のような詳記を必ず追加していただきたい。1か月の休薬期間は診療報酬上のトラブルを少しでも減らすための対応である。 - ベイフォータスを投与している児は、5か月間は最低効果あるものと判断する。2シーズン目に適応がある患者は、5か月後の流行状況を見て2回目の投与を考慮する。可能であれば1年後投与としたい。
- 昨年と状況が変化しており、毎月の症状詳記を詳細に書いて下さい。
①投与の適応となった傷病名、病態(傷病名はレセプトにも記載が必要)
②今回がそのシーズンの何回目の投与か
③投与時の体重 - 以上の原則に当てはまらない症例については、小児科学会埼玉地方会事務局を通じて埼玉県RSV感染症流行監視WGに適宜お問い合わせ下さい。
2025年2月6日
埼玉県RSV感染症流行監視ワーキンググループ
大山昇一、金井雅代、國方徹也(文責)、小島拓朗、小林敏宏、菅沼栄介、清宮綾子、側島久典、細野茂春、峯眞人、森脇浩一