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会長挨拶



ご挨拶

会長 佐藤清二

 地方会会長を2018年度および2019年度も引き続き務めることになりました。改めましてご挨拶申し上げます。2014年に雨宮前会長から地方会会長を引き継ぎ3期目となります。2年後には勤務するさいたま市立病院をリタイアしますので、次期会長にバトンタッチいたします。
 私が会長に就任後の2014年5月から、既定方針として地方会事務局が埼玉医科大学小児科からトリプルアイ(有限会社・多田孝代表)に移りました。それまでの事務局運営は、埼玉医科大学小児医局および医局秘書に全面的にご支援を頂き、実質的に運営費用のかなりの部分を支援頂きました。改めまして感謝申し上げます。事務局移転に際し面倒であったのは、埼玉地方会は任意団体で法人格がないために、事務局の移転に際し地方会の住所は私の勤務しているさいたま市立病院に、通帳は会長名で新たに作成する必要がありました。会長が変わる度に地方会住所と通帳を更新しなければなりません。
 トリプルアイと地方会の関りは、トリプルアイが日本小児科学会の小児救急フォーラムをお手伝いする中で、安田正先生(2006年度~2009年度会長・2014年10月逝去)からの依頼で、2007年9月から学術集会の設営・進行を担当することに始まりました。トリプルアイの概要は以下の通りです。多田代表に頂いた内容をそのまま以下に転載いたします。「大学の人工衛星の画像処理をしていた研究室のメンバーで立ち上げた会社で、コンピューターを使った画像処理をしていました。当初は人工衛星関連の仕事と映像関連の仕事が中心で、NHKの番組の放送・制作も行っていました。そのなかでプロジェクターを使ったイベントなどを手がけるようになり、日本小児科学会などと関わり合いができるようになりました。人工衛星関連ではJAXAから衛星開発の委員会運営のお手伝いをさせていただいております。コンピューター画像処理の技術と経験から現在はコンピューターのシステム開発、運用などからHP運用などのIT関連の仕事が中心になってきています。最近はドローンを使った映像作成等も行っています。」
 地方会の委員会を紹介いたします。総務委員会では、地方会運営の基本方針を必要に応じて議論・検討頂いています。議題は、各委員および会長から提出され、委員会で合意されれば役員会や総会で審議頂き、地方会運営に反映されます。地方会への要望、ご意見があれば、その旨事務局にメール下さい。財務委員会は、事務局が作成した決算および予算の原案を詳細に検討し、会計中間、決算および予算案を報告します。広報・HP委員会は、地方会ニュースレターを年に4回発行しており、最新号がNo.48でしたので丸12年になりました。学術委員会委員に巻頭言を執筆頂いていましたが一回りしましたので、次回からはコラム名を“「温故知新」埼玉小児医療-昭和の群像”とし新しいシリーズが始まります。HPに掲載したい情報・意見等ありましたら当委員会宛で事務局にメールください。掲載規定に合致すれば直ぐに掲載されます。最後に、地方会の屋台骨とも言うべき学術委員会について触れます。学術集会の10日後の水曜日夜に開催され、その時間の大半を費やして次回学術集会に応募された演題1次抄録を1題1題丁寧に検討します。用語の使用等小児科学会誌の記載原則に準じているか、重要な臨床情報は具体的か、これらを100字という制限中で収めるにはどうすべきか、云々と毎回15名位前後の委員で活発に討議します。改正して欲しい点を具体的に筆頭演者にフィードバックし、再考を依頼します。地方会学術集会での発表は、若い小児科医の鍛錬の場です。小児科学会誌に掲載される二次抄録(200字)は、指導医と演者で発表当日の質疑応答を加味して提出ください。2018年9月から、二次抄録の提出期限を学術集会1週後に変更いたします。各委員会のメンバーは、当HPに掲載されています。各委員は、地方会規約上は会長の委嘱で選任されますが、会長が変わっても若干名の新旧交代はあっても、各委員会とも独自性をもって継続されています。
 私が会長に就任した2014年当時、学術集会は5月と12月は日曜日(終日)に、9月と2月は土曜日(午後)に開催され、5月と12月には特別講演がありました。運営は安定していましたが、学術集会のあり方を考慮すべき医療環境の変化がありました。専門医制度変更に伴う専門医更新に必要な単位内容の変更と医療情報供給源として重宝であった企業が関連する研究会開催の制限です。前者では、5年間で10~20回(単位)の領域別講習会出席および3回(単位)の共通領域講習会出席が必要になりました。また、企業が関連する研究会出席は単位として認可されなくなりました。これに対応するために、2017年度からは全ての学術集会を日曜日開催にし、講習会対象となる特別講演を年4回とし、講習会単位の取得に配慮しました。また、会員への情報提供の便宜を図り、ランチョンセミナーを2016年12月の第166回学術集会から開始しました。
 「現在、わが国小児医療の主要な課題は狭義の疾病(biological morbidity)から、家庭、学校、地域社会の機能不全に基づく社会病(social morbidity)に移りつつある。心身不健康の兆候は全ての子どもに拡散しつつあり、多くの子どもは様々な病因、病態を同時に持つ複合病(co-morbidities)に罹患している。21世紀の小児医療が挑戦すべき対象は、一部の子どもの疾病ではなく、全ての子どもに共通する、その全貌を捕捉し定義することが困難な、新しい社会環境問題である。」成育医療センター元総長の松尾宣武先生が2003年4月に開催された第106回日本小児科学会学術集会で講演された基調講演抄録の抜粋です。核家族社会、少子高齢社会、情報過多社会、格差社会という変動の中で、子どもは子どもらしさを奪われ続けています。子どもらしさを取り戻す人間復興は子育てと教育から始まり、その成果がでるまでに20年はかかると思います。小児科医は、よりよい子育ての理念と方法を確立する義務があり、そしてそれを学校教育に繋げなければなりません。次世代の小児科医には、子どもの代弁者であることを強く意識し、医療のボーダーを超えて山積する課題に挑戦してほしいと思います。

(2018年9月2日)

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