“子どもの「いのち」を守る” セミナー開催報告


日本小児科学会埼玉地方会
埼玉県小児保健協会
埼玉県小児科医会
会員各位

埼玉県小児保健協会     会長 峯 眞人
埼玉県小児科医会      会長 森泰二郎
日本小児科学会埼玉地方会  会長 佐藤清二

日本小児科学会埼玉地方会・埼玉県小児保健協会・埼玉県小児科医会合同企画
“子どもの「いのち」を守る” セミナー開催報告

 2020年2月22日に埼玉県看護協会研修センター・八木ホールで三団体合同による “子どもの「いのち」を守る” セミナー2020を開催いたしました。皆様のご支援により、ご三方のご講演および総合討論で、子どもの社会環境問題を考える時間を共有できたことに感謝申し上げます。

 NPO法人ピッコラーレの中島かおり講師には、子ども虐待死事例で最も多いのは生まれたその日に亡くなる赤ちゃんであり、望まぬ妊娠、特に10代の妊娠の現実を提示いただき、参加者は小学校からの性教育の重要性を強く認識しました。

 おかだこどもの森クリニックの岡田邦之講師には、2017年から始まった埼玉県における子ども虐待対応医療ネットワーク体制構築の状況を具体的にお話しいただき、多職種協同で堅実に進んでいるが、まだ多くの課題があることを説明いただきました。

 緑園こどもクリニックの山中龍宏講師には、子どものいのちを事故から守るためには、“注意しましょう”では何も変わらない、変えられるものを科学的検証で具体的に指導し変えていくことの重要性をご教示頂きました。

 成育基本法が2018年12月に公布、2019年12月に発布になり、具体的施策が財政措置および閣議決定後に2020年の夏ころには各自治体に下りてきます。成育基本法は概述すれば “生まれてから親となる過程で、医療・保健・教育・福祉が連携して、子育て支援を、国が国民に約束する法律” です。その命題は少子化対策であり、失われた家庭、学校、地域社会での子育てイノベーションです。基本法による施策では、各自治体は毎年の報告義務がありbrush-upを要求されます。従いまして、事の成否は、各自治体で施策の受け皿となる医療・保健・教育・福祉が連携した多職種の実行主体のactivityに左右されます。

 三団体合同による “子どもの「いのち」を守る” セミナーの開催意義は、成育基本法による施策を多職種で共通認識し、協同で支援・支持する基盤づくりです。本セミナーを継続し、埼玉の子育てイノベーションを推進して参ります。皆様の積極的参加をお願いいたします。

(文責 佐藤清二)